内山安雄のアジアンな日々

奨学金制度を主宰する職業作家、内山安雄の主戦場であるアジアの話題を中心に

ケチとせこさ

 

「ケチ」とか「せこい」と思われたくないもの。

で、思い出すのが直木賞を受賞する前の故藤田宜永さんと宴会の帰りにタクシーに同乗したおりのこと。

はるか手前で降りる私、前もって千円札を取り出していました。

降り際になってメーターを見やると、1350円の表示だったかと。

が、すでに藤田大兄に千円札を押しつけていました。

「えっ、ウチヤマさん、お金いらないよ、途中なんだから」

今さら引っ込めるわけにもいかず、千円札を藤田大兄に手渡していました、流れから。

ああ、ハンパに千円なんて私はせこい、と思ってしまいました。今でも、似たような場面に出くわすと、お金にせこい人を見ると、苦さを伴って時々思い出します。