出版契約について。テレビで出版のフェアトレードを取り上げていたので。
私が大手の文学賞に最終的に落選した時のこと。
賞を主宰する版元の文芸部長から、じきじきに依頼を受けました。
「我が社からも一作、次回はぜひとも受賞できる作品を書いてください」
その場にいた初対面の編集者が私の担当についてくれることに。
彼と二人三脚で、一年半がかりで500枚強の作品を完成させます。
担当者編集者の指示に従って、3ヶ月かけて全面的に改稿を、「これでだいじょうぶでしょう」ということになります。
が、新任の部長さんが、「この作品、うちからは出しません」といったとか。
その理由は、担当者いわく、「よくわかりません」
結果、新任の部長さんは、なんと実は私の作品を読んでいないらしく、「自分が(ウチヤマに)依頼したわけではない。前任部長との仕事だろう」と私の担当者にいったそうです。
担当者いわく、「この私、前任部長が依頼した時に同席はしていました。が、私が発注したわけではないので。本は部長のものですから、私にはどうにも……」
この話を大手版元の、仲よしの友人管理職に相談したところ、「あっ、私も、自分が依頼した作品じゃない、といって、作者に断ったことがあります。大泣きされました」
今も昔も根の深い問題のようです。沈思黙考。
今の私にはこういう問題、起きません。なぜに? あうんの呼吸の編集者としか仕事をしていないので。