内山安雄のアジアンな日々

奨学金制度を主宰する職業作家、内山安雄の主戦場であるアジアの話題を中心に

我が青春のパリ

名画「第七天国」を見ていて、パリのことを思い出しました。20代の一時期を、小説家修業と称してすごしたパリのことを。
私が転がり込んだのは、ピガール広場の古びたアパルトマンの屋根裏部屋。日本でいうと新宿歌舞伎町の感じ。
同じフロアの住人は娼婦、オカマ、詐欺師、スリに泥棒、三下ギャング、自称アーティストなどなど。
カーテンもない窓から真正面に見えていたのがサクレ・クール寺院。そのたたずまいが創作意欲をかき立ててくれ、デビュー小説「エトワールに銃口を」となる。
が、本当はその直前に書き上げて、講談社文藝春秋の新人賞に応募した2つの作品がデビュー作となるのだろう、選考の前に、それぞれ小説雑誌での発表にこぎつけたので。
本気になって書けば、必ず小説家としてデビューできる、と信じて疑わず、根拠のない自信にみちていた20代の日々、アハハハハ。